
TiDBに関する雑多なアップデートを一週間分お届けするTiDB WEEKLY。 今週のアップデートをお届けします。
製品アップデート
今週は特に製品アップデートはありませんでした。
公式ブログ等の更新
ACID at Scale: Where ORMs and MySQL Disagree(英語)

ORM を使うアプリケーションが単一の MySQL を超えてシャーディングに移ると、何が壊れるのかを整理した記事です。 ORM は「本物のトランザクションを備えた1つのデータベース」を前提に設計されているのに対し、シャーディングされた MySQL はその前提を静かに破る、というのが出発点です。 記事は破綻のしかたを4つに整理しています。 1つのトランザクションがシャードをまたぐ複数のコミットに分解されて原子性が崩れること、ロックやスナップショットがシャードをまたがなくなって分離性が失われること、シャードごとのリードレプリカによって一貫性が確率的になること、そして JOIN や集約が使えなくなりアプリケーション側に押し出されることです。
(雑感)これは結構昔からある問題で、そのためにリポジトリ層やDB自体での回避が試みられてきたと思うのですが、この辺最近どうなっているんでしょうか。様々な実装がありうるのでORM側での対応は難しいと思いますが、最近のORM実装がどうなっているのかちょっと調べてみたくなりました。
イベントレポート
AI Dev Day 2026

7月23日に東京で開催された AI Dev Day 2026 で発表してきました。トピックはAI領域におけるTiDB Xの利用で、RAG、エージェントメモリに関する取り組みの紹介と、将来的な方向性についてお話しました。発表時間を結構直前まで30分だと思い込んでいて、急遽45分にするためにスライドを追加したりデモ追加したりしましたが、皆様に楽しんでいただけたようで嬉しかったです。
RAGやメモリの実装について話すために色々調べました。ただ言えるのはまだまだこれらの分野は発展途上で工夫の余地は大きいな、ということです。言語モデルを使っているとその埋め込まれた知識や活用に圧倒されますし、Web検索も組み合わせることで知らないことはないのではとすら思えてしまうのですが、いざ限定されたドメイン、ドキュメントをベースとした知識を元にしたエージェントを作ると、逆に精度が上がらなくて困るのではないかと感じます。
これはモデルの問題ではなく、ユーザー側が求める成果の違いと思います。ユーザーに知識がなく、Web検索の代替として簡単に使えることを求めているのと、ユーザーがエキスパートでより精度が高く、かつ迅速に結果を求める場合では求められるもののレベルが異なります。 単に手間を省いているのとクリエイティブな作業であるキュレーションの違いという感じがします。RAGやメモリはまだ手続き的な知識の活用なので、実装で求められるクリエイティブを補完する必要があります。 発表では手段の話が中心でしたが、本当に重要なのはその手段を使って成果に結びつける工夫の部分です。実践者の方も多くいらっしゃっていて、今後この工夫の部分の議論が発展すると面白いと思います。
それではまた来週。